ウェブ時代の百貨店業界とその可能性
2010/6/18 Friday
マーケティング・コミュニケーション・コンサルタント 原田 有紀子
景気動向の指標のひとつ、
日本百貨店協会の先月5月の発表によると、全国百貨店の売上高は26ヶ月前年同月比マイナスだそうだ。リーマンショックが2008年9月ということをみれば、リーマンショックに関係なく百貨店売り上げは2年以上苦戦していることになる。これはもはや景気のせいにはできない何かが感じられる。
例えば、どの業界よりも遅れているとの指摘もある日本の百貨店業界のオンライン化。オンラインショッピングをひとつの店舗として実際の店舗同様に扱っている百貨店はごくわずかだ。日本の高齢化社会よりも百貨店利用の消費者は高齢化が進んでいると指摘する専門家もいる。あの伊勢丹でさえ
メンズ向けECサイトを昨年9月にようやく開設したという状況である。
そんな中、
大丸東京では、昨今人気のレインブーツ上位7種をランキング順に陳列してここ数ヶ月の売り上げを4割伸ばしたそうだ。対象商品にQRコードを付け、携帯電話で読み取れば誰でも簡単に投票できる仕組みを導入し、その変動するランキングを1階の電子看板で写真付きでリアルタイムに紹介することによって通行者の興味喚起、店舗への集客そして購買促進につながったと評価している。このところ猫も杓子も口にするソーシャルメディアのフル活用事例ではないが、遅れている百貨店業界のクロスメディアプロモーションとしては面白い試みといえよう。
それでは、ソーシャルメディアの最先端ツールであるTwitterやUSTREAMなどを、超高齢化の百貨店業界はどう活用すればいいのだろうか?ツールのライブ感とコミュニティという特性を上手に活かせば、百貨店も色々と楽しいアイディアを顧客に提案できるはずだ。
本来百貨店は全国、いや、世界の素晴さや楽しさを、商品を通じて紹介するリアルなポータルである。百貨店業界におけるソーシャルメディアコミュニケーション時代の到来がそう遠くないことを期待したい。