“イジャカヤ”に見る日本食のブランド力

2011/1/21 Friday
アカウントエグゼクティブ 森島 みなみ
日本が第二の“韓流”ブームに沸いている中、本国である韓国の20?30代の間では日本の“イジャカヤ(居酒屋)”が人気を呼んでいるらしい。
もっとも、韓国を始めとする諸外国における『日本食人気』はさほど新しい話題でもないが、ここ数年ソウルでは“真の本格派”居酒屋店が急増しているという。

一昔前、ソウルにある日本の飲み屋といえば『炉端焼き』と呼ばれ、内装も料理もいわゆる“日式”と韓国風にアレンジした店舗が多かった。1月13日付けの週刊文春によると、「2000年頃から炉端焼きに代わり居酒屋が増えてきたが、中途半端な店は消えてきた。また、今の若者は海外旅行の経験も豊富で、実際に日本の居酒屋を知っているため、偽者にはなびかない」とのこと。
人気店に共通するのは、完璧な和風の内装と細やかなサービス。メニューも豊富で、韓国ではあまり見られない生ビール、梅酒、日本酒などを取り揃えており、食事についても刺身、串焼きなど、日本の居酒屋さながらである。

日本食材の輸入を手がけるMonoLinkの李世ヒョン代表によると、これら“本格派”居酒屋を開業する多くは、「韓国食からのくら替えか、就職できない若者」で、ここ5年で同社の顧客は2500軒までに拡大しているという。MonoLinkは開業希望者に対し、自社食材の使用を条件に、簡単な調理で提供できる100種類以上の居酒屋メニューを提案している。
最近は取引先の日本国内で商売してきた中小食材メーカーを対象に東南アジアやロシア向け輸出の支援も行い、世界で受け入れられる日本食の潜在力とビジネス機会の広がりを伝えているという。

ちなみにこの人気にあやかり、大手居酒屋チェーン“白木屋”も昨年6月にソウル・江南地区へ初出店をした。(※WEBページは韓国語です)
白木屋によると、日本同様『飲酒文化』のある韓国は居酒屋を受け入れる土壌があること、日本食への成熟度の高さが出店の決め手という。また、昨今の“韓流”ブームによる日本での韓国文化や料理への理解の深まりもあり、日本向けメニューの市場調査とも考えているとか。

我々日本人の生活に密接している“居酒屋”に日本企業の世界進出へのカギがあったとは、灯台下暗しとはまさにこのことと言える。